幼少期から触れてきた職人の精神、
ものづくりの現場の空気
実家が建具屋だったため、幼いころから職人たちと近しい環境の中で育ってきました。今の事務所・工場がある建物のように、2階が住まいで暮らしと仕事場が一緒にある状態。だから、中学高校ぐらいからアルバイトのような形で職人たちの簡単な仕事を手伝うことが日常でした。当時の建具はサッシも木製。厳密につくらないと、扉が閉まらないということにもなるので、ミリ単位で調整するような製作技術や仕上げを基本とする精神はこの時期に身についたように思います。
その後、実家の建具屋で5〜6年ほど修行し、青山の木材屋などで働く間にディスプレイ案件の受注を皮切りに、内装まで依頼相談を受けるようになり、だんだんと任される案件の規模が拡大していきました。そのうち、仕事を行ううえで自分の工場をもち、思うように仕事をこなしていきたいと考えるようになったことで、東雲に鉄骨で工場を建てます。そうして職人3人でスタートしたのが、セットアップの始まりです。
製作現場にすべてがあることが最も作業効率もよく、精度も上がる。今自社として大きな強みとしている設計・施工管理・製作までがすべて自社内・同じ場所にあるというこの形式のベースは、もともと自分が肌で感じて育ってきた環境にあるかもしれません。
選んでくださった気持ちに応えたいから「断らない」
「なんでもやる」精神で一件ずつ丁寧に着実に納めてゆく
仕事をする上で大事にしていることは、「来た仕事は断らない」。これを基本姿勢としています。予算や制約など、どの案件もそれぞれ事情がありますが、その中でどう条件を折り合わせて実現に運んでいくか。来た仕事はちゃんと丁寧に、やる方向で考える。1件1件の案件をしっかりやることが、何よりも「営業」になるっていう世界でもあるので。断らないことで我が社としてもどんどんできることが増えていますし、継続的にご相談いただける関係性が築けているようにも思います。
精神としては、今も昔も変わってなくて「なんでもやっちゃう」。自分ですべて作れるものは作る、やったことがないことも相談があれば応じますし、新規事業もまずは実現できる手段や方法を考えます。不動産事業もそうです。
不動産事業を始めた理由は、自分たちの施工で自分たちの物件を賃貸運用したり販売するまでをやりたかった。というのも、社員たちに、期限に追われたり不規則な時間帯で働かなくてもいい仕事を用意してあげたかったというのがあるんです。
信頼してくださるクライアントもたくさんいらっしゃいますし、求められる規模感もどんどん大きくなっている。会社のベースとして、もちろん内装であることには変わりはありませんが、徐々に不動産屋や飲食、小売の自社プロダクトなど、他の事業も拡大して、会社全体として無駄を無くしたり効率をあげたりしてバランスがとれたらと思っています。
自社の仕事の質を支えるのは社員一人ひとり
より健やかに継続して仕事に励めるように事業モデルを考える
経営者としては、社員のマネジメントを第一に考えています。この仕事は誰にやらせたらいいか、それを見極めるのが僕らの仕事なんですよね。こんな案件が来た。じゃあこれはあのスタッフに現場監督を任せた方がいいとか。人は誰しもマルチじゃない。向き不向きもあるし、好き嫌いもあるし。それを見極めるのがやっぱり一番難しい。
社員食堂のスタートも、みんながカップラーメンみたいなものばかりを食べているのが気になってずっと作りたかったというのがあったんです。忙しいからどうしても簡単なものになってしまう。だけど、人間って外部から取り入れるものって三度の食事しかないんですよ。レギュラーよりハイオクの方がいい。いいアウトプットのためにはいいインプットが必要です。社員が良い状態でいることができて初めて、高い成果をクライアントに提供し続けられるのだと思っています。
設立してから23年。おかげさまで、ここまで営業活動と言われるものをまったくせずに成長を続けてきました。来た仕事はちゃんと丁寧に、着実に返していくこと。一つずつの積み重ねを通して、クライアントをはじめ、地域の方やともに仕事をする業界関係者の方々も含め、多くの方にここまで育てていただいてきたと思います。
図面をもらって、その通りに仕上げること。これが、私が最初に学んだ職人の仕事の真髄です。これからも初心を忘れず、一つひとついただいた案件に着実にお答えし、期待を超え続けたいと思っています。
代表 豊岡博志
OUR VISION
Company Profile
すべては、オーダーに
最大限応えるために。
「こういうものが欲しい」そのオーダーに答え、思い描くそのものを作って納める。それこそが職人という存在が果たす仕事の核だと、私たちセットアップは考えます。
代表・豊岡が尊敬する人々から教わってきた職人の精神を、私たち一人ひとりも受け継いでいます。設計から現地取り付けまですべて自社内一貫体制で行う意味は、仕事のクオリティを最大限まで高めてオーダーに応え続けるためにありました。