
Balancing stool
製作過程で生まれる木の端材。単体では商品になり得ないものを、デザインの力でプロダクトとして再生します。たとえば、ブランドの代表作である「Balancing stool」は、端材を何層にも圧着して強度と重厚さを増した素材を使用。デザインソースとなったのは、河原で小石を積み上げるアート「ロックバランシング」。絶妙なバランスで積み上げられた軽やかさを感じる形状ながら、素材の持つ重みが相反した唯一無二の存在感を放ちます。アーティスティックな佇まいが空間を彩ります。
Fc table
Resetのデザインで大切にしていることの一つが「バランス」です。シンプルで美しく、見ていて綺麗だと感じるものを作りたい。ずっと抱き続けているその思いを体現するバランスを、常に模索し続けています。一枚のメタルプレートをレーザーカッターで抜き、曲げ加工のみで形成されたFc tableは、端材をほとんど出さずに完成する作品。シンプルでありながら巧みな職人技があって生まれた洗練されたフォルム。コンセプトとデザイン性、すべてが絶妙なバランスで成立したプロダクトです。
Products
ちゃぶ台、腰掛、ざぶとん。
素材の記憶をそのまま写しとることで、かたちが揺らぎます。
ZABUTON
HAKU / SUMI
Kozai Stool
Zabuton High
Tatami Stool
Chabudai 研ぎ出し
Chabudai
Zabuton tatami
モノづくりの現場では、常に「余白」が生まれます。
工場の床に積まれる端材、繊維の切れ端、形にならなかった素材たち。
私たちはそれを「終わったもの」とは考えません。むしろそこに、次の物語が眠っていると捉えています。
木と布と金属。異なる素材が重なり合うとき、偶然の模様や質感が生まれます。
左官の技術によって表面を研ぎ出すと、その奥に隠れていた粒子や色が顔を出す。
一点ごとに異なる家具の表情は、そうした「混ざり」と「露わ」を繰り返す中から立ち上がります。
この家具たちは、効率や規格の外側でこぼれ落ちたものから生まれています。
だからこそ、ひとつひとつに揺らぎがあり、唯一の存在感を持っています。
Reset が大切にしているのは「読み替える」という姿勢です。
廃材や副産物を「使えないもの」として切り捨てるのではなく、
「まだ見ぬ価値のかけら」として次のかたちに変換する。
それは素材にとどまらず、人や空間にもつながります。
家具というプロダクトは単なる道具ではなく、
過去の記憶と未来の暮らしをつなぎなおす「媒介」として機能するべきだと考えています。
Reset は「完成すること」を目的にしていません。
混ざり合いながら、読み替えながら、常に変化の途上にあること。
その過程こそが私たちの思想であり、活動の原動力です。
Exhibition|Node
展示「接統点 / Node」は、私たちの思想を最初に示す場となりました。
「Node(接続点)」とは、ネットワークの交わりであり、構造の節でもあります。
建築・家具製作の現場で生まれた廃材や副産物に、左官の技術を重ねる。
素材の記憶と新しい価値が再構築され、観る者と素材、作り手と使い手、過去と未来が交わる場所を目指しました。
会場には、ちゃぶ台やスツールといった家具だけでなく、音楽や飲食も重なり、
素材の実験が「空間そのものの体験」へと拡張しました。
この展示は、Reset が掲げる「読み替える」という思想を
最も端的に体感できる「交差点」となったのです。
Communication
ものづくりは、いつも会話から始まります。
異なる専門が重なりあって、プロダクトは次の顔を見せます。
Showroom
ここでは、完成した製品を見せるのではなく、
家具が生まれる以前と以後のあいだ、
その「途上」にある素材やかたちを体感することができます。
光に照らされた無垢材の塊、
研ぎ出された断面に潜む粒子、
椅子やテーブルとして立ち上がる直前の気配。
それらが並ぶことで、空間全体が「ひとつの試作室」のように息づきます。
この場所は、展示であり、実験であり、滞在の場でもあります。
家具を見に来る人もいれば、
余白を確かめに来る人もいる。
素材の行方を一緒に考えるための、開かれた場です。
現在、見学や利用に関する予約スケジュールは整備中です。
けれど、整いきっていないからこそ、ここには余白があります。
訪れる人がそれぞれの想像で補い、
空間の未来をともに描いていけるような状態を
あえて残しています。
ここで過ごすひとときは、家具を「買う」ための時間ではなく、
素材や空間と向き合い、
自分自身の暮らしを読み替えていくための入り口になるはずです。
Reservation
この場に関心を持ってくださった方は、
どうぞお気軽にメールにてご相談ください。
reset@set-up.mygiz.com
ここでは、私たちが考えていることを一方的に見せるのではなく、
訪れる人と一緒に素材の行方を考えたい。
家具にとどまらず、空間や暮らしに広がる可能性を、
コミュニケーションの中で探していきたいです。
「こういう仕上げもできるのでは?」
「この素材は別の形に使えるかもしれない」
そんな対話が積み重なること自体が、
この場のもっとも大切な営みです。
一緒に考えることから始まる。
このショールームは、そんなコミュニケーションの拠点です。
FEATURE
Retail Products
工場で出た端材の行方をもう一度ひらくことから、私たちの実験は始まります。
終わりは、始まりのかたちをしている。 用途を終えた木や布が、新しい景色に生まれ変わる。 捨てるのではなく、読み替える。それが私たちの方法です。 家具をつくることは、境界を超えること。 製作から営業、空間演出まで、ひとつの線で結ばずに横断していく。 ものづくりの仕組みごと、つくりかえるプロジェクトです。